メルボルンで新生活をスタートし、日豪プレスのインターンを始めて3カ月が経ちました。大学卒業や仕事の内定など、多忙な毎日を送る中、高校時代に少しだけ触れたテニスへの興味が再燃。29ドルという手頃な値段のチケットと、SNSで見た会場のさまざまなイベントに引かれ訪れた、テニス全豪オープンの観戦レポートをお届けします。
(文・写真=沖あやか)
全豪オープン、テニスとそれ以上の魅力
メルボルン・パークで毎年1月後半、2週間にわたり開催される全豪オープンは、世界のテニス・ファンが注目するグランドスラム大会の1つです。今年は1月14日から28日に開催されました。シーズン開幕の時期に、世界中から最高のプレイヤーたちが集結し、熱戦を繰り広げます。2024年の大会は、予選を含めて史上最大規模となる110万人以上の観客を迎えました。また、テニスの試合以外にも、ライブ・ミュージックやファン向けのアクティビティーが豊富に用意され、テニス・ファンでなくても楽しめる内容が満載です。私自身もこの大会の多様な魅力に引き込まれ、忘れがたい体験をすることができました。
熱戦の連続!全豪オープンでの日本選手の躍動
1月27日、最初に観戦したのは、上地結衣選手とディーデ・デフロート(オランダ)選手の決勝戦。攻撃的なプレーをする場面が見られたものの、デフロート選手のスピンボールに苦戦し、初セットを落としてしまった上地選手。第2セットもブレーク合戦が続き、4―5で迎えたデフロート選手のサービス・ゲームで、最後は上地選手のリターンがアウトに。結果は4―6で上地選手の敗退となりましたが、彼女の戦いぶりには感銘を受けました。
続いて観戦したのは、ジュニアの坂本玲選手とジャン・クムスタット(チェコ)選手の試合。坂本選手のすばらしい勝利には、会場全体が息を飲みました。17歳で身長193cm、サーブ・スピードは210キロ近くに達する彼のプレーは、まさに圧倒的でした。試合は最終セットまでもつれ、5―5のリターン・ゲームで坂本選手の粘り強さが光り、最後はラブ・ゲームで締めくくりました。この試合のスピードとテンションには完全に圧倒されました。
その後、小田凱人選手の決勝を見に行きました。彼は17歳にして世界ランキング1位のアルフィー・ヒューエット選手(イギリス)と対戦し、6―2、6―4で見事な勝利を収めました。昨年の苦杯を晴らす形での勝利に、会場は熱狂。小田選手の気迫あふれるプレーは、まさに精鋭のアスリートそのものでした。
表彰式では、小田選手が「(車いすテニスは)数年前まではこのコート(Kia Arena)を使っておらず、常にどうしたらいいか考え、ここまで自分のプレーを貫いてやってきました。日本の子どもたちに良い姿を見せられたかなと思います。これからも良い姿を見せられるように頑張っていくので見ていてください」と語り、観客の心をつかみました。今年の全豪オープンを制覇したことにより、17歳にして全米オープンに向けたグランドスラム達成への一歩となりました。
初めてのテニス観戦:全豪オープンで感じた興奮と感動
テニス観戦に行ったのは今回が初めてでしたが、その躍動と興奮は想像以上でした。この日見た試合のどれもが、私にとって忘れがたい体験となりました。特に坂本選手と小田選手の試合は、共に17歳という若さでありながら、観客を魅了し、感動を与えました。私はこれらの試合を通じて、テニスの魅力を改めて実感し、スポーツが持つ感動と興奮を心から味わうことができました。
また上地選手、坂本選手、小田選手の試合は、どの席からでも見ることができ、最前列に座るチャンスもありました。選手たちを間近で見ることによって、テニスの迫力をより感じることができました。試合後には、サインをもらうこともでき、言葉にできないほどうれしかったです。
この全豪オープン観戦の経験は、私にとって特別なものとなりました。初心者ながらもテニスの魅力に心から引き込まれ、これからもテニスや他のスポーツ・イベントへの関心を深めていくきっかけになりました。来年もこのすばらしい大会を見に行くことを楽しみにしています。テニスの世界に足を踏み入れたばかりですが、すでにその魅力に夢中です。
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